多くのEC事業を手がけていると、新規顧客が進んだ次のステップで毎度のごとくでてくるのがこの「CRM」という単語です。
Customer Relation Management の略でして、ものすごくシンプルにいうと、顧客との関係づくりを良いものにし、ショップでいろいろなものを継続的にもしくは新規で購入していただき、たくさんお金を落としてもらおうという話です。
メーカーはよく、ショップの分析をする際に最も重要にする指標が、LTVです。
Life Time Valueの略でして、ようは1人の顧客がそのショップで生涯いくらお金を落としてくれるかの数字です。
ただ、生涯といっては、ショップが閉じるまで正しい数字がでないため、だいたい期間を1年〜3年などで区切って分析することが多いです。
1年で1顧客あたりいくらお金を落としてくれるかという感じです。
メーカーはこのLTVをあげるために、CRM施策を日々考えています。
そこで、CRMの施策の代名詞のようにでてくるのがこのステップメールです。
ステップメールとは、ショップの会員に対して、あらかじめ組んだメールシナリオを送信するシステム機能のことです。
具体的には、1通目タイトルは「〜〜〜」で送信する。
2通目、1通目が送られてから何日後の午前9時にタイトル「〜〜〜」で送信する。
3通目、2通目が送られてから1日後の午後3時にタイトル「〜〜〜」で送信する。
・・・・
というように、スケジュール設定や、どういう内容を送るかなどを設定しシナリオを組んでおきます。
そこに会員を登録するとそのシナリオ通りにメールが送信されるという仕組みです。
ECショップのほとんどは、購入と同時に会員を獲得します。
一度、この商品を購入してくれた人に、こういう訴求で新しい商品を販売したいと思った際に、ステップメールで誘導します。
CRM施策としては代表的なもので、多用されます。
そんなステップメールですが、カートシステムによってはこういったシナリオを組めないもっと簡易的なものまでステップメールと呼んでいるものもあります。
シナリオを組めても、実際の利用用途として、顧客セグメントを切れる必要があります。さっき、例にあげたように
「商品A」を買った人にだけ、送りたい。
というセグメントを切れる必要がありますが、ほとんどのカートシステムはそこまでできないケースが多いです。
私が利用した中で、個人的に最も使いやすかったのはECForceというカートシステムです。顧客セグメントを「定期何回まで買った人」とか、「商品Aを一度でも購入したことのある人」とか、カートシステムでしか持っていない情報をキーに検索し、セグメントをきれるのが少し感動しました。
その他のカートシステムに関してはステップメールは遅れるが簡易的なものが多く、外部のステップメールサービスと連携して利用する必要があるものが多いです。
ただ、連携した場合、カートシステム側だけでもっている条件で顧客を絞り込むことが自動でできないため、かなり不便です。(もちろんコストもかかる)
カートシステムを検討段階でCRMによるステップメールシナリオまで考えられることは中々ないとは思いますが、汎用的にできるカートシステムを選んでおいたほうがいいと安定だとは思います。
また、CRMとしてやりたい施策が明確な方は、本当にそのセグメントに対して想定通りのステップメールが、当該カートシステムのステップメール機能で遅れるのかをしっかりサポートに問い合わせるべきだと思います。
ステップメールは、かゆいところに手が届くのが最も重要であり、「流石にそれはできるでしょ」ってのが案外できないことが多い領域なので、慎重に事実確認をすることをお勧めします。
CRMは奥が深いので色々とITシステムに絡むネタを書いていきます。